11日前
分布外検出における暗黙の異常値変換
Qizhou Wang, Junjie Ye, Feng Liu, Quanyu Dai, Marcus Kalander, Tongliang Liu, Jianye Hao, Bo Han

要約
オフ分布(Out-of-Distribution, OOD)検出において、アノマリ暴露(Outlier Exposure, OE)は非常に有効な手法であり、代替的なOODデータを用いたモデルのファインチューニングによって、検出性能を向上させる。しかし、通常用いられる代替OODデータは、実際のテスト段階でのOODデータと乖離していることが多く、そのため未観測のOODデータに対してOEの性能が低下するリスクがある。この問題に対処するため、本研究では、未観測のOOD状況に対しても良好な性能を発揮する新たなOEに基づくアプローチを提案する。このアプローチは、最悪の判定を引き起こすOODデータを合成し、そのデータから学習することで、OOD検出における一貫性のある性能を実現する「ミニマックス学習(min-max learning)」の枠組みを導入する。本研究の実装では、これらの最悪のOODデータは、元の代替OODデータを変換することで合成される。具体的には、モデルの摂動がデータ変換を引き起こすという本研究の新しい知見に基づき、関連する変換関数を暗黙的に学習する。この手法により、代替OODデータに加えて、効率的なOODデータの合成が可能となり、検出モデルの性能向上に寄与する。本研究では、さまざまなOOD検出設定下で広範な実験を行い、提案手法が最先端手法と比較して優れた有効性を示した。