15日前
SCENE:異種グラフニューラルネットワークを用いた交通シーンの推論
Thomas Monninger, Julian Schmidt, Jan Rupprecht, David Raba, Julian Jordan, Daniel Frank, Steffen Staab, Klaus Dietmayer

要約
交通シーンを理解するには、動的なエージェントに関する異種情報と静的なインフラ構造の両方を考慮する必要がある。本研究では、異種グラフとして多様な交通シーンを表現し、異種グラフニューラルネットワーク(Heterogeneous Graph Neural Network)によるエンコーダとタスク固有のデコーダを用いてそのグラフを推論する手法SCENEを提案する。本手法で用いる異種グラフは、オントロジーによって構造が定義されており、タイプに応じたノード特徴を持つ異なるノードと、タイプに応じたエッジ特徴を持つ異なる関係から構成される。これらのグラフが提供するすべての情報を効果的に活用するため、グラフ畳み込みの段階的な(カスケード型)層を導入する。その結果、シーンの高次元表現(エンコーディング)が得られる。得られたエンコーディングに対して、タスク固有のデコーダを適用することで、シーンの所望の属性を予測可能となる。本手法を2つの異なるバイナリノード分類タスクに対して広範な評価を行った結果、その主な利点が明らかになった。すなわち、汎用性が高いにもかかわらず、タスクに特化したベースラインを上回る性能を達成している。さらに、本手法をさまざまな知識グラフにおけるノード分類タスクに適用した結果、他の分野への汎用性(転移可能性)が確認された。