
要約
異常なサンプルは学習に利用できないため、多くの異常検出および局所化手法では、事前学習済みネットワークと非パラメトリックモデルを用いて符号化された特徴量の分布を推定している。しかし、これらの手法は正常特徴量の分布に位置情報および近傍情報が与える影響を無視している。これを克服するため、本研究では、近傍特徴量を条件とする条件下での確率分布を用いて正常分布を推定する新しいアルゴリズム、\textbf{PNI} を提案する。この手法では、多層パーセプトロンネットワークを用いて近傍特徴量の分布をモデル化している。さらに、各位置における代表的な特徴量のヒストグラムを構築することで、位置情報も有効活用している。異常マップの単純なリサイズではなく、合成異常画像上で訓練された追加の精緻化ネットワークを用いることで、入力画像の形状やエッジ情報をより適切に補間・反映できる。本手法はMVTec ADベンチマークデータセット上で実験を行い、異常検出および局所化において、それぞれ\textbf{99.56\%}および\textbf{98.98\%}のAUROCスコアを達成し、最先端の性能を示した。