
要約
運動脳-コンピュータインターフェース(BCI)の開発は、神経時系列データの復元アルゴリズムに大きく依存している。近年の深層学習アーキテクチャの進展により、データ内の高次相関を近似するための自動特徴選択が可能となった。本論文では、脳皮質電位(ECoG)データを用いた指の運動推定に適応した畳み込み型エンコーダ・デコーダ構造である「FingerFlexモデル」を提案する。このモデルは、公開されているBCIコンペティションIVデータセット4において、実測軌道と予測軌道の間の相関係数が最大0.74に達する、最先端の性能を達成した。本手法は、高精度で完全機能を備えた皮質運動BCIの開発を可能にする新たな道を開くものである。