15日前
STSC-SNN:時空間シナプス接続を有する時系列畳み込みとアテンションを用いたスパikingニューラルネットワーク
Chengting Yu, Zheming Gu, Da Li, Gaoang Wang, Aili Wang, Erping Li

要約
スパイキングニューラルネットワーク(SNNs)は、神経形態計算におけるアルゴリズムモデルの一つとして、時間情報処理能力、低消費電力、高い生物学的妥当性といった特徴から、近年著しい研究関心を集めている。空間時間的特徴を効率的に抽出できるという可能性から、イベントストリームの処理に適している。しかし、従来のSNNにおけるシナプス構造は、ほとんどがフル接続または空間2次元畳み込みに限られており、いずれも時間的依存性を十分に捉えることができない。本研究では、生物的シナプスの構造に着想を得て、空間時間的シナプス接続を実現するSNNモデル(STSC-SNN)を提案する。このモデルにより、シナプス接続の空間時間的受容場を拡張し、層間における時間的依存関係を構築することが可能となる。具体的には、時間畳み込みとアテンション機構を導入し、シナプスフィルタリングおよびゲーティング機能を実現している。本研究では、シナプスモデルに時間的依存性を付与することで、分類タスクにおけるSNNの性能向上が可能であることを示している。さらに、異なる空間時間的受容場が性能に与える影響を検証し、SNNにおける時間モジュールの再評価も行った。提案手法は、DVS128 Gesture(ジェスチャー認識)、N-MNIST、CIFAR10-DVS(画像分類)、SHD(音声数字認識)といった神経形態データセット上で検証された。その結果、提案モデルはほぼすべてのデータセットにおいて、既存の最先端技術を上回る精度を達成した。