
要約
本論文では、再生核ヒルベルト空間(Reproducing Kernel Hilbert Spaces: RKHS)に基づく依存性測度であるヒルベルト・シュミット独立基準(Hilbert-Schmidt Independence Criterion: HSIC)を用いた新しい効率的なブラックボックス属性化手法を提案する。HSICは、分布のカーネル埋め込みを用いて入力画像の領域とモデルの出力との間の依存性を測定し、RKHSの表現能力によって説明が豊かになる。したがって、HSICは非常に効率的に推定でき、他のブラックボックス属性化手法に比べて計算コストが大幅に削減される。我々の実験結果によると、HSICは従来の最良のブラックボックス属性化手法よりも最大8倍速い一方で同等の忠実度を保っている。実際には、Imagenetにおいて様々な最新モデルアーキテクチャを使用して評価した複数の忠実度指標について、ブラックボックスおよびホワイトボックス属性化手法の最先端レベルを改善または達成している。特に、これらの進歩がYOLOv4などの物体検出モデルに対して効率的かつ忠実に説明できることが示されている。最後に、伝統的な属性化手法を拡張するために、HSICに基づくANOVAのような直交分解を行う新しいカーネルを提案する。これにより、各画像パッチだけでなくそれらのペアワイズ相互作用の重要度も評価可能となる。当該実装は以下のURLから入手可能である:https://github.com/paulnovello/HSIC-Attribution-Method。