
要約
悪天候条件下における堅牢な視覚認識は、実世界の応用において極めて重要である。本研究では、霧による影響に対して堅牢なセマンティックセグメンテーションモデルを学習するための新規手法を提案する。本手法の核心的なアイデアは、画像の霧状態をそのスタイルと捉え、セグメンテーションモデルのニューラルスタイル空間において、異なる霧状態を持つ画像間のスタイルギャップを縮小することにある。特に、画像のニューラルスタイルは霧以外の要因にも影響されがちなため、スタイルから霧に関連する特徴を抽出できるように、霧透過フィルタモジュールを導入する。この霧透過フィルタとセグメンテーションモデルを交互に最適化することで、異なる霧状態間のスタイルギャップを徐々に縮小し、結果として霧に依存しない特徴を学習可能となる。実験結果によれば、本手法は3つの実際の霧視覚画像データセットにおいて、従来手法を大きく上回る性能を達成した。さらに、霧のない晴天画像においても性能を向上させることができ、既存の手法が晴天シーンで性能を低下させる傾向にあるのに対し、本手法は両方の条件下で優れた汎化能力を示す。