要約
数学文章問題の解決には、文章中に含まれる数量間の演繹的推論が必要となる。近年の多くの研究では、与えられた文脈における数量間の関係性を明示的に扱うことなく、数学的式の生成を目的としたシーケンス・トゥ・シーケンスまたはシーケンス・トゥ・ツリーモデルに依存している。これらのアプローチは実験的に有効であるものの、生成された式に対する説明を提供することができないのが一般的である。本研究では、このタスクを複雑な関係抽出問題と捉え、ターゲット式を段階的に構築する説明可能な演繹的推論手順を提示する新しいアプローチを提案する。各推論ステップでは、二つの数量間の関係を定義する基本的な演算が実行される。4つのベンチマークデータセットにおける広範な実験の結果、提案モデルは既存の強力なベースラインを顕著に上回ることが示された。さらに、演繹的手順が説明性の高い推論ステップを提供するだけでなく、より複雑な推論を要する問題に対してもより正確な予測を可能にすることも実証した。