
要約
LiDAR点群データの高密度なラベル付けは、データ量の急激な増加に対応しきれないほどコストが高く、時間がかかる問題が依然として残っている。現在の研究文献では、完全教師あり学習の性能に焦点が当たっているが、現実的な弱教師ありラベルを活用する効率的な手法の開発はまだ十分に検討されていない。本論文では、LiDAR点群に対してスクリブル(書き込み)によるラベル付けを提案し、LiDARセマンティックセグメンテーション用として世界初のスクリブルラベル付きデータセット「ScribbleKITTI」を公開する。さらに、こうした弱教師ありラベルを用いた場合に生じる性能差を低減するためのパイプラインを提示する。本パイプラインは、任意のLiDARセマンティックセグメンテーションモデルと組み合わせて利用可能な、3つの独立した貢献から構成されており、ラベル付き点群のわずか8%を使用するだけで、完全教師あり学習の性能の最大95.7%を達成することが可能である。本研究のスクリブルラベルデータおよびコードは、github.com/ouenal/scribblekittiにて公開されている。