9日前
L2CS-Net:制約のない環境における詳細な視線推定
Ahmed A.Abdelrahman, Thorsten Hempel, Aly Khalifa, Ayoub Al-Hamadi

要約
人間の視線は、人間-ロボットインタラクションやバーチャルリアリティなど、さまざまな応用において重要な手がかりとして用いられている。近年、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いたアプローチにより、視線方向の予測において顕著な進展が見られた。しかし、目の外見の個別性、照明条件の変動、および頭部姿勢や視線方向の多様性といった要因により、リアルな環境(in-the-wild)における視線推定は依然として困難な課題である。本論文では、制約のない環境下でも安定した視線予測を実現するための堅牢なCNNベースのモデルを提案する。本手法では、各視線角度を個別に回帰することで、角度ごとの予測精度を向上させ、全体的な視線推定性能の向上を図っている。さらに、各角度に対して同一の損失関数を2つ用いることで、ネットワークの学習効率を高め、一般化性能を強化している。提案モデルは、制約のない設定で収集された2つの代表的なデータセットを用いて評価された。その結果、MPIIGazeデータセットでは3.92°、Gaze360データセットでは10.41°という、現在の最先端(state-of-the-art)の精度を達成した。本研究のコードは、https://github.com/Ahmednull/L2CS-Net にてオープンソースとして公開している。