
要約
ペアワイズ損失は、同じ意味的クラスに属する画像同士が異なるクラスの画像よりも特徴空間上で近くなるように最適化する損失関数を用いて意味的埋め込みを学習するメトリック学習のアプローチである。文献には、ペアワイズ損失戦略の多様な変種が多数報告されている。本研究では、これらの損失関数の勾配を、アノカー・ポジティブペアとアノカー・ネガティブペアの相対的な特徴位置をどのように押し出すかに関連する要素に分解することで、現在知られている多数のペアワイズ損失関数を統一的に扱う枠組みを構築する。さらに、これらの効果を明示的に分離するためのペアワイズ勾配更新の構成により、各要素の影響度の大小が明らかとなり、CAR、CUB、Stanford Online Productsデータセットにおける画像検索タスクにおいて、最先端の性能を上回るシンプルなアルゴリズムの提案につながった。