
要約
長時間系列データの分類は機械学習における重要なタスクであり、多くの応用シーンに現れる。時系列データから学習するための主要な手法として、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)、Transformer、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)が挙げられる。これらの手法の中でも、非常に長い系列にスケーラブルな特徴を持つ時空間畳み込みネットワーク(TCN)は、時系列回帰において顕著な進展を遂げている。しかし、TCNのシーケンス分類における性能は満足できるものではなく、その理由は歪んだ接続構造と最終位置での出力クラスの決定に起因する。このような非対称性は、シーケンス全体の情報を十分に活用する必要がある分類タスクにおいて、性能を制限している。本研究では、対称的なマルチスケール構造を持つ「円形拡張畳み込みニューラルネットワーク(CDIL-CNN)」を提案する。本モデルでは、各位置が前の層において他の位置からの情報を均等に受信する機会を持つ。また、すべての位置で分類のロジットを出力可能であり、単純なアンサンブル学習を適用することで、より優れた決定を実現できる。CDIL-CNNは、さまざまな長時間系列データセットに対して評価された。実験結果から、本手法が多数の最先端手法を上回る優れた性能を発揮することが明らかになった。