11日前
ハロ質量の推定にグラフニューラルネットワークを用いる
Pablo Villanueva-Domingo, Francisco Villaescusa-Navarro, Daniel Anglés-Alcázar, Shy Genel, Federico Marinacci, David N. Spergel, Lars Hernquist, Mark Vogelsberger, Romeel Dave, Desika Narayanan

要約
銀河とハローの関係を理解することは、暗黒物質の性質およびその物理的特徴をより深く知る上で基盤的な意義を持つ。本研究では、ハローが宿す銀河の位置、速度、恒星質量、半径を入力として、そのハローの質量を推定するモデルを構築した。銀河の性質間の相関および位相空間における構造情報を効果的に捉えるために、不規則かつスパースなデータに適したGraph Neural Networks(GNN)を採用した。本モデルは、宇宙論的および天体物理学的不確実性を考慮しつつ、CAMELS(Cosmology and Astrophysics with MachinE Learning Simulations)プロジェクトから得られた2,000以上にのぼる最先端のシミュレーションにおける銀河データを用いて学習した。その結果、本モデルはハロー質量を約0.2 dexの精度で制約可能であることが示された。さらに、一連のシミュレーションで学習したGNNが、異なるシミュレーションコードおよび別個の小スケール物理モデル(subgrid physics model)を用いたシミュレーションデータに対してテストされた場合でも、一部の精度を維持することができたことから、本手法の高いロバスト性が示された。本研究で用いたGNNのPyTorch Geometric実装は、GitHub上で公開されており、URLは https://github.com/PabloVD/HaloGraphNet である。