
要約
知識グラフ埋め込みモデルは、知識グラフ内のエンティティおよび関係の表現を学習し、エンティティ間の欠落したリンク(関係)を予測することを目的としている。これらのモデルの有効性は、対称性、非対称性、逆関係、合成、推移性といったさまざまな関係パターンをどのようにモデリング・推論できるかという能力に大きく依存する。既存のモデルは多くの関係パターンを既に扱えるようになっているが、非常に一般的な関係パターンである推移性についてはまだ十分にサポートされていない。本論文では、まず理論的に投影(projection)を用いることで推移的関係を表現可能であることを示す。その後、投影と関係の回転(relational rotation)を統合したRot-Proモデルを提案する。我々は、Rot-Proが上述のすべての関係パターンを推論可能であることを証明する。実験結果から、提案するRot-Proモデルが推移性パターンを効果的に学習でき、推移的関係を含むデータセットにおけるリンク予測タスクで最先端の性能を達成することが確認された。