11日前

ElasticFace:深層顔認識のためのエラスティックマージン損失

Fadi Boutros, Naser Damer, Florian Kirchbuchner, Arjan Kuijper
ElasticFace:深層顔認識のためのエラスティックマージン損失
要約

顔特徴の識別性を高める学習は、高性能な顔認識モデルの構築において重要な役割を果たす。近年の最先端の顔認識手法では、正規化された超球面上で一般的に用いられる分類損失関数(ソフトマックス損失)に固定されたペナルティマージンを導入することで、クラス内変動を最小化し、クラス間変動を最大化することにより、顔認識モデルの識別性を向上させるアプローチが提案されている。アーカーフェイス(ArcFace)やコスフェイス(CosFace)といったマージンペナルティ付きソフトマックス損失は、異なる個人間および同一個人内の地図距離(測地線距離)を、固定されたペナルティマージンを用いて均等に学習可能であると仮定している。しかし、実データにおいてクラス間・クラス内変動が不均一である場合、このような学習目標は現実的ではなく、顔認識モデルの識別性能および汎化能力に制限をもたらす可能性がある。本論文では、固定されたペナルティマージンの制約を緩和するため、柔軟なペナルティマージン損失(ElasticFace)を提案する。この手法は、クラス分離性を強化するための推進力に柔軟性を持たせる。主なアイデアは、各訓練反復において正規分布からランダムに抽出されたマージン値を用いることである。これにより、決定境界が適応的に拡張または収縮する機会が得られ、柔軟なクラス分離性の学習が可能となる。本研究では、同一の幾何変換を用いて、ElasticFace損失がArcFaceおよびCosFace損失に対して優れた性能を発揮することを、多数の主流ベンチマーク上で実証した。広い視点から見ると、ElasticFaceは9つの主流ベンチマークのうち7つにおいて、顔認識の最先端性能を刷新した。

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