FP-Age：野外における顔年齢推定のためのFace Parsing Attentionの活用

顔画像に基づく年齢推定は、顔画像から人物の年齢を予測する技術であり、さまざまな実世界応用に利用されている。ベンチマークデータセット上では、エンドツーエンドの深層学習モデルが著しい成果を上げているが、頭部ポーズの大きな変動、表情の違い、部分的遮蔽といった要因によって、実環境（in-the-wild）における性能は依然として改善の余地が大きい。本研究では、顔の意味的情報を明示的に年齢推定に組み込むシンプルかつ効果的な手法を提案する。これにより、頭部ポーズや非剛性変形にかかわらず、アライメントされていない顔画像から最も情報量の高い顔部部位に適切に注目する能力をモデルが学習できるようになる。そのために、複数スケールでの意味的情報を学習するための顔解析ベースのネットワークと、これらの意味的特徴を年齢推定に活用するための新規な顔解析アテンションモジュールを設計した。実環境データ上で本手法の有効性を評価するため、新たに「IMDB-Clean」と呼ばれる大規模で挑戦的なベンチマークデータセットを導入した。このデータセットは、制約付きクラスタリング法を用いて半自動的にノイズ除去された、元のIMDB-WIKIデータセットを基に構築されたものである。IMDB-Cleanおよび他のベンチマークデータセット上で、データ内評価およびデータ間評価の両方の設定において包括的な実験を実施した結果、本手法は既存のすべての年齢推定手法を一貫して上回り、新たな最先端性能を達成した。本研究の知見によれば、顔解析アテンションを活用して意味認識型の年齢推定を実現したのは本研究が初めてであり、他の高レベルな顔分析タスクに対する示唆も与える可能性がある。コードとデータは、\url{https://github.com/ibug-group/fpage}にて公開されている。