
要約
最近の研究では、連続的ノルマルライジングフロー(CNF)の観点から、ニューラル常微分方程式(ODE)が画像の生成モデルとして機能可能であることが示されている。このようなモデルは正確な尤度計算が可能であり、逆変換可能な生成および密度推定が実現できる。本研究では、粗い画像と整合性を持つ詳細な画像を生成するために必要な追加情報の条件付き分布を定式化することで、このようなモデルのマルチリゾリューション版(MRCNF)を提案する。また、解像度間の変換において対数尤度が変化しないようにする手法を導入した。実験の結果、様々な画像データセットにおいて、従来のモデルと同等の尤度値を達成しつつ、高解像度での性能が向上し、パラメータ数を削減しつつ、単一のGPUのみを用いても実行可能なことが示された。さらに、(マルチリゾリューション)連続的ノルマルライジングフローの分布外(out-of-distribution)特性を検証したところ、他の尤度ベースの生成モデルと類似した挙動を示すことがわかった。