11日前
産業用異常検出における完全記憶の実現へ
Karsten Roth, Latha Pemula, Joaquin Zepeda, Bernhard Schölkopf, Thomas Brox, Peter Gehler

要約
欠陥部品の検出は、大規模な産業製造プロセスにおいて極めて重要な要素である。本研究で取り組む特に重要な課題は、「コールドスタート問題」である。すなわち、正常(欠陥なし)の例画像のみを用いてモデルを構築するという課題である。各クラスごとに手作業でカスタマイズしたソリューションの構築は可能であるが、その目的は、多数の異なるタスクに対して自動的に良好な性能を発揮するシステムを構築することにある。最も優れたアプローチは、ImageNetモデルからの埋め込み(embedding)と外れ値検出モデルを組み合わせることである。本論文では、この研究分野をさらに発展させ、PatchCoreを提案する。PatchCoreは、正常な画像パッチ特徴量の最大限に代表的なメモリバンクを用いる。PatchCoreは、検出と局在化の両面で最先端の性能を達成しつつ、競争力のある推論時間も実現している。特に、広く用いられ、非常に困難なMVTec ADベンチマークにおいて、PatchCoreは画像レベルの異常検出におけるAUROCスコアで最大99.6%を達成し、次に優れた競合手法と比較して誤差を半減した。さらに、2つの追加データセットにおいても競争力ある結果を報告しており、少量サンプル環境下でも同様に優れた性能を示した。\freefootnote{$^*$ アマゾンAWSでの研究インターンシップ中に実施された研究。}コード:github.com/amazon-research/patchcore-inspection