
要約
ディープラーニング(DL)に基づく言語モデルは、自然言語推論(NLI)に関するさまざまなベンチマークで高い性能を達成している。一方で、この時期、NLIに対する記号的手法は注目を浴びていない。両者のアプローチ(記号的アプローチとDL)にはそれぞれ利点と課題がある。しかし現状では、これらを統合したシステムによりNLIタスクを解決する手法は存在しない。記号的手法とディープラーニングを融合するため、本研究では、単調性に基づく論理推論エンジンとニューラルネットワーク言語モデルを用いてフレーズの対応付けを行う推論フレームワーク「NeuralLog」を提案する。本フレームワークはNLIタスクを古典的な探索問題として定式化し、ビームサーチアルゴリズムを用いて最適な推論経路を探索する。実験の結果、本研究で提唱する論理的・ニューラル統合推論システムは、NLIタスクにおける精度を向上させ、SICKおよびMEDデータセットにおいて最先端の精度を達成することが示された。