17日前
QuatDE:知識グラフ補完のための動的四元数埋め込み
Haipeng Gao, Kun Yang, Yuxue Yang, Rufai Yusuf Zakari, Jim Wilson Owusu, Ke Qin

要約
知識グラフ埋め込みは、知識ベース補完(KGC)における活発な研究テーマであり、初期のTransE、TransH、RotatEなどから現在の最先端モデルであるQuatEへと段階的に進化してきている。しかし、QuatEはエンティティの多面的な性質や関係の複雑さを無視しており、四元数空間における厳密な演算のみを用いてエンティティペアと関係の相互作用を捉えようとしている。その結果、より優れた知識表現の可能性が残されており、最終的にはKGCの性能向上に寄与する余地がある。本論文では、動的マッピング戦略を導入した新しいモデルであるQuatDEを提案する。このモデルは、関係パターンの多様性を明示的に捉え、エンティティの異なる意味的情報を分離することを目的としており、ハミルトン積を用いて遷移ベクトルにより四元数空間内でのエンティティ埋め込みベクトルの位置を調整することで、三つ組の要素間の特徴相互作用能力を強化する。実験の結果、QuatDEは3つの代表的な知識グラフ補完ベンチマークにおいて最先端の性能を達成した。特に、WN18ではMR評価が26%、WN18RRでは15%向上しており、QuatDEの汎化能力が裏付けられている。