
要約
laneレベルのシーンアノテーションは、都市部や街中など複雑な環境における自律走行車の軌道計画において、極めて貴重なデータを提供する。しかし、laneのアノテーションは人手による手作業で行わなければならないため、取得に多大な時間と費用がかかる上、大規模な地域にスケーリングすることが困難である。本研究では、鳥瞰図(bird's-eye-view)画像からlaneの幾何形状を推定する新しいアプローチを提案する。本手法では、laneの形状とlane間の接続関係の推定問題を、laneのアンカー点をグラフのノード、laneセグメントをエッジとするグラフ推定問題として定式化する。我々は、広く用いられているNuScenesデータセットおよびそのマップ拡張パックから処理されたマルチモーダルな鳥瞰図データを用いて、グラフ推定モデルを学習した。さらに、別途訓練されたモデルにより各laneセグメントの接続方向を推定し、有向laneグラフを構築した。提案するLaneGraphNetモデルの性能を、挑戦的なNuScenesデータセット上で評価し、包括的な定性的・定量的評価を実施した。評価結果から、本モデルは多数の都市シーンにおいて有望な性能を示しており、自律走行車向けの高精細(HD)laneアノテーションの自動生成に向けた一歩として有効であることが示された。