17日前
先行する道を想像する:微分可能シミュレーションを用いたマルチエージェント軌道予測
Adam Scibior, Vasileios Lioutas, Daniele Reda, Peyman Bateni, Frank Wood

要約
我々は、マルチエージェントの軌道予測を目的とした、完全微分可能なシミュレータに基づく深層生成モデルを開発した。エージェントは、条件付き再帰変分ニューラルネットワーク(CVRNN)でモデル化され、現在の世界状態を表すエゴセントリックな鳥瞰図画像を入力として受け取り、ステアリングと加速の組み合わせからなる行動(アクション)を出力する。このアクションは、運動学的自転車モデルを用いて、次のエージェント状態を導出するのに用いられる。その後、全シミュレーション状態が各エージェントに対して微分可能にレンダリングされ、次の時刻ステップが開始される。本モデルは、標準的なニューラルアーキテクチャと標準的な変分学習目的関数を用いて、INTERACTIONデータセットにおいて最先端の性能を達成した。特筆すべきは、あらゆる手動で設計された多様性誘導損失(ad-hoc diversity-inducing losses)を導入せずに、現実的なマルチモーダルな予測を生成できた点である。アブレーション研究を通じて、シミュレータの各構成要素の役割を検証した結果、運動学的自転車モデルと鳥瞰図画像からの連続的フィードバックの両方が、この水準の性能を達成するために不可欠であることが明らかになった。本モデルの名称を「ITRA(Imagining the Road Ahead)」と命名した。