
要約
我々は、適応型ビジョンインテリジェンスの実現に向けた核心的なステップであるクラス増分学習(class incremental learning)の問題に取り組む。特に、限られたメモリ資源下での増分学習というタスク設定を想定し、安定性と柔軟性のトレードオフをより良好に達成することを目指す。そのため、より効果的な増分的概念モデリングを実現するために、動的に拡張可能な表現を用いる新たな二段階学習アプローチを提案する。具体的には、各増分ステップにおいて、既に学習済みの表現を固定し、新たな学習可能な特徴抽出器から追加の特徴次元を導入して拡張する。これにより、新しい視覚的概念を学習しつつ、既に習得した知識を保持することが可能となる。新規概念の複雑さに応じて、チャネルレベルのマスクに基づくプルーニング戦略を導入することで、表現の拡張を動的に制御する。さらに、新規概念に対する多様かつ識別的な特徴を学習するよう促すための補助損失関数を導入する。本手法は、3つのクラス増分学習ベンチマークにおいて広範な実験を実施し、他の手法と比較して一貫して大幅な性能向上を達成した。