
要約
最近の動画超解像(SR)手法は、時系列的にスライディングウィンドウから得られる低解像度(LR)フレームに対して反復的なアプローチを採用するか、あるいは以前に推定されたSR出力を利用して現在のフレームを再帰的に再構成する手法が主流である。一部の研究では、これらの構造を組み合わせたハイブリッドフレームワークの構築を試みたが、その潜在能力を十分に発揮できていなかった。本論文では、過去のSR出力だけでなく、現在および未来のSR出力も活用できる「全能的(omniscient)フレームワーク」を提案する。この全能的フレームワークは、より汎用性が高く、反復的、再帰的、およびハイブリッドなフレームワークはすべてその特殊ケースとして捉えられる。提案する全能的フレームワークにより、他のフレームワークにおける生成器と比較して、より優れた性能を発揮することが可能となる。公開データセットを用いた豊富な実験結果から、本手法が最先端手法と比較して、客観的評価指標、主観的視覚的品質、および計算複雑度の面で優れていることが示された。本研究のコードは公開予定である。