
要約
これまでの研究では、感情分析を文書分類タスクとして捉えており、入力となる文書を事前に定義された感情クラスに分類していた。しかし、文書内には感情分析に重要な証拠を示す文と、それらと関係の薄い文が存在するにもかかわらず、それらの研究では文書を「文の袋(bag of sentences)」として扱っており、文書内の各文の重要性を考慮していなかった。文書の極性を効果的に決定するためには、文書内の各文に異なる重要度を与えるべきである。この問題に対処するため、我々は深層ニューラルネットワークに基づく文書レベルの文分類モデルを提案する。本モデルでは、ゲート機構を用いて、文書内の各文の重要度を自動的に決定する。提案モデルの有効性を検証するため、映画レビュー、ホテルレビュー、レストランレビュー、音楽レビューの4つの異なるドメインにおける感情分析データセットを用いて実験を行った。実験の結果、文書内の文の重要度差を考慮しない従来の最先端モデルと比較して、本モデルが優れた性能を示した。実験結果から、文書レベルの感情分類タスクにおいて、文の重要度を考慮することが重要であることが明らかになった。