
要約
本稿では、先行研究(Kobayashi他、2020;Zhang他、2020)よりも概念的に単純なトップダウン型の話法構造解析手法を提案する。本手法は、文書を逐次的に個々の話法単位に分割するという順序ラベリング問題としてタスクを定式化することで、デコーダを不要にし、分割点の探索空間を削減することを可能にした。本研究では、従来の再帰型モデルと最新の事前学習済みTransformerモデルの両方を用いてこのタスクを検討し、さらにトップダウン解析に特化した新しい動的オラクル(dynamic oracle)を導入した。フルメトリクス(Full metric)に基づく評価において、提案するLSTMモデルがRST解析の分野で新たな最先端(state-of-the-art)を達成した。