
要約
我々は分類問題に対処するためのアルゴリズムおよび新しい手法を提案する。本研究では、非劣効性ソート遺伝的アルゴリズム(NSGA)-IIIによって学習される進化的学習アルゴリズムである、マルチ出力ニューラルツリー(MONT)アルゴリズムを提案する。進化的学習は確率的であるため、MONTとして得られる仮説は、進化的学習の各実行ごとに一意となる。すなわち、生成される各仮説(木構造)は、トポロジカル空間およびパラメータ空間の両面において、他のすべての仮説と異なる特性を持つ。この性質は、木のサイズを最小化し、分類精度を最大化することを目的とする困難な最適化問題を生じさせる。そのため、パレート最適性の評価にはハイパーボリューム指標を用いた分析を実施した。MONTの性能評価には、9つのベンチマーク分類学習問題を用いた。実験の結果、高い精度で分類問題に取り組めるMONTが得られた。本研究で検証された問題群において、MONTは多層パーセプトロン、誤差削減プルーニング木、ナイーブベイズ分類器、決定木、サポートベクターマシンといった代表的な分類器と比較して、より優れた性能を発揮した。さらに、遺伝的プログラミング、NSGA-II、NSGA-IIIを用いたMONTの3種類の学習手法の性能比較から、NSGA-IIIが最も優れたパレート最適解を導くことが明らかになった。