
要約
大規模な点群データの利用可能性の向上と、ロボティクス、形状合成、自動運転車など多様な応用分野での有用性が、産業界と学術界からますます注目を集めています。最近では、ラベル付き点群データを処理する深層ニューラルネットワークが、分類やセグメンテーションなどの教師あり学習タスクで有望な結果を示しています。しかし、教師あり学習は点群データのアノテーションという煩雑な作業につながります。この問題に対処するために、我々はカバーツリー(cover-tree)を使用して点群データの階層的な分割を符号化する2つの新しい自己教師なし事前学習タスクを提案します。カバーツリーにおいて、各レベルで異なる半径を持つ球内に点群の部分集合が存在します。さらに、我々の自己教師なし学習ネットワークは、少数ショット学習(Few-Shot Learning, FSL)設定における下流ネットワークの訓練に使用されるサポートセット(希少な訓練例から構成される)に限定して事前学習を行います。最終的に、完全に訓練された自己教師なしネットワークからの点埋め込み(point embeddings)が下流タスクのネットワークへの入力となります。本研究では、提案手法を下流の分類およびセグメンテーションタスクに対して包括的な実験評価を行い、我々の自己教師なし学習方法で事前学習した教師あり手法が最先端手法の精度を大幅に向上させることを示しました。また、提案手法は従来の非教師あり手法よりも下流分類タスクで優れた性能を発揮することも確認されました。