
要約
開域質問応答(QA)における従来のアプローチは、通常、単一ステップ(single-hop)または複数ステップ(multi-hop)の推論を必要とする質問に特化して設計されており、回答すべき質問の複雑さについて強い仮定を置いています。また、複数ステップにわたるドキュメント検索は、関連性はあるが回答を支持しないドキュメントの数を増加させやすく、その結果、回答抽出に敏感な下流のリーダーモジュールにノイズが悪影響を及ぼすことがあります。これらの課題に対処するため、本研究では任意のステップ数(any-hop)の開域質問に応答可能な統合型QAフレームワークを提案します。このフレームワークは、ドキュメントの反復的検索、再順序付け、フィルタリングを行い、検索プロセスを適応的に終了するタイミングを決定します。検索精度の向上を図るため、複数ドキュメント間の相互作用を核とするグラフベースの再順序付けモデルを提案します。本手法は、Natural Questions Open、SQuAD Open、HotpotQAを含む単一ステップおよび複数ステップの開域QAデータセットにおいて、従来の最先端手法と同等またはそれ以上の性能を一貫して達成しています。