
要約
患者の需要の増加と予算制約の圧力により、病床管理は臨床スタッフにとって日々の課題となっています。特に重要なのは、リソースを多く消費する集中治療室(ICU)のベッドを生命維持が必要な患者に効率的に割り当てることです。この問題解決において中心的な役割を果たすのは、現在のICU患者が単位にどれくらい滞在するかを予測することです。本研究では、時間畳み込みとポイントワイズ(1x1)畳み込みの組み合わせに基づく新しい深層学習モデルを提案し、eICUおよびMIMIC-IV集中治療データセットにおける滞在期間予測タスクに適用します。このモデルを時間ポイントワイズ畳み込み(Temporal Pointwise Convolution: TPC)と呼びます。TPCは、電子健康記録(Electronic Health Records: EHR)における偏り、不規則なサンプリング、欠損データなどの一般的な課題を軽減するために特別に設計されています。これにより、一般的に使用されている長短期記憶ネットワーク(Long-Short Term Memory: LSTM)やトランスフォーマー(Transformer)という多頭自己注意ネットワークに対して、18-68%(指標とデータセットによって異なる)の有意な性能向上を達成しました。さらに、死亡予測を副タスクとして追加することで、性能をさらに向上させることができ、残り滞在期間の予測における平均絶対偏差は1.55日(eICU)、2.28日(MIMIC-IV)となりました。