
要約
現実世界の出来事は非常に高い相互依存性と関連性を示しており、その結果、生成されるデータポイント間にも自然とつながりが存在する。しかし、大多数のAI/ML技術は、データポイント間のこうしたつながりを無視している。近年、グラフベースのAI/ML技術への関心が高まっているのは、こうしたつながりを有効活用するためである。グラフベースの学習アルゴリズムは、データおよび関連情報を効果的に活用することで、優れたモデルの構築を可能にする。ニューラルグラフ学習(Neural Graph Learning: NGL)は、従来の機械学習アルゴリズムに改良された損失関数を組み合わせることで、グラフ構造におけるエッジの情報を活用する手法の一つである。本論文では、NGLを用いたモデル「NodeNet」を提案し、引用グラフにおけるノード分類タスクの解決を目的とする。また、提案手法における改良点とそれらがタスクに与える意義について議論する。さらに、現在の最先端技術と比較し、NodeNetの優れた性能がもたらされる要因についても検討する。