17日前
MANTRA:複数トラジェクトリ予測のためのメモリ拡張ネットワーク
Francesco Marchetti, Federico Becattini, Lorenzo Seidenari, Alberto Del Bimbo

要約
自律走行車は、複数の独立した協調しないエージェントが存在する複雑な状況下で走行することが期待されている。このような環境下で安全に航行するための経路計画は、他のエージェントの現在の位置や運動状態を単に認識するだけでは不十分である。むしろ、それらの変数を十分な将来にわたって予測する必要がある。本論文では、メモリ拡張型ニューラルネットワーク(Memory Augmented Neural Network)を活用して、多モーダルな軌道予測問題に取り組む。本手法は、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)を用いて過去および未来の軌道埋め込み(trajectory embeddings)を学習し、関連性のある外部メモリを活用してこれらの埋め込みを記憶・検索する。その後、観測された過去の情報を条件として、メモリ内に格納された未来の埋め込みをデコードすることで軌道予測を実行する。さらに、セマンティックなシーンマップの上に畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を学習させることで、デコードステートにシーンの知識を組み込む。既存の埋め込みの予測能力に基づいて書き込みコントローラーを学習することで、メモリの成長を制限し、効率的なメモリ管理を実現する。実験の結果、本手法は、3つのデータセットにおいて、従来の最先端(state-of-the-art)水準の性能を達成し、自然に多モーダルな軌道予測を実現できることを示した。また、メモリモジュールの非パラメトリックな性質に起因して、訓練が完了した後も、新たなパターンを継続的に学習・吸収することで、システムが継続的に改善可能であることを明らかにした。