
要約
教師なし人物再識別(ReID)の課題は、真のラベルが存在しない状況下で判別力のある特徴を学習することにある。本論文では、教師なし人物ReIDを段階的に真のラベルを探索するマルチラベル分類タスクとして定式化する。提案手法は、初期段階で各人物画像に単一ラベルを付与し、更新されたReIDモデルを用いてラベル予測を行うことで、段階的にマルチラベル分類へと進化させる。ラベル予測は類似度計算とサイクル整合性(cycle consistency)を組み合わせることで、予測ラベルの品質を保証する。マルチラベル分類におけるReIDモデルの学習効率を向上させるために、さらにメモリベースのマルチラベル分類損失(MMCL)を提案する。MMCLはメモリベースの非パラメトリック分類器と連携し、マルチラベル分類と単一ラベル分類を統一的な枠組み内で統合する。本手法におけるラベル予測とMMCLは反復的に連携し、ReID性能を顕著に向上させる。複数の大規模人物ReIDデータセットを用いた実験により、本手法が教師なし人物ReIDにおいて優れた性能を発揮することを示した。さらに、他のドメインのラベル付き人物画像を活用可能な転移学習設定においても、本手法は最先端の性能を達成している。