
要約
関係データにおける表現学習およびリンク予測のための大多数のアルゴリズムは、静的データを想定して設計されている。しかし、それらが適用されるデータは通常、時間とともに変化するものであり、ソーシャルネットワークにおける友人関係グラフやレコメンデーションシステムにおけるユーザーとアイテム間の相互作用などが該当する。知識ベースにおいても同様であり、(米国, 大統領を有する, B. オバマ, [2009–2017]) のような事実が特定の時点でのみ有効である点が挙げられる。時間的制約下におけるリンク予測、すなわち (米国, 大統領を有する, ?, 2012) のようなクエリに答える問題に対して、4階テンソルの標準的分解に着想を得た解決策を提案する。本研究では、新たな正則化スキームを導入し、ComplEx(Trouillon他、2016)の拡張を提示することで、最先端の性能を達成した。さらに、Wikidataから構築された新たな知識ベース補完データセットを提案する。これは従来のベンチマークと比較して1桁以上規模が大きく、時間的・非時間的リンク予測手法の評価のための新しい基準として位置づけられる。