11日前
FairMOT:複数対象追跡における検出と再識別に関する公平性について
Yifu Zhang, Chunyu Wang, Xinggang Wang, Wenjun Zeng, Wenyu Liu

要約
マルチオブジェクトトラッキング(MOT)は、コンピュータビジョンにおいて重要な課題であり、広範な応用を持つ。単一のネットワーク内でオブジェクト検出と再識別(re-ID)をマルチタスク学習として定式化する手法は、両タスクの共同最適化が可能であり、計算効率も高いという点で魅力的である。しかし、本研究では、これらの二つのタスクが互いに競合しやすい傾向にあることを見出した。特に、従来の手法ではre-IDを補助的なタスクとして扱うことが多く、その精度は主タスクである検出タスクに大きく依存してしまう。その結果、ネットワーク全体が検出タスクに偏りがちとなり、re-IDタスクに対して公平でない状況が生じる。この問題を解決するために、CenterNetというアンカーフリーなオブジェクト検出アーキテクチャに基づき、FairMOTと呼ぶシンプルかつ効果的なアプローチを提案する。本手法は、CenterNetとre-IDを単純に組み合わせたものではない。むしろ、実証的な検証を通じて得られた詳細な設計要素を複数導入しており、優れたトラッキング性能を実現するために不可欠である。提案手法は、検出とトラッキングの両方において高い精度を達成し、複数の公開データセットにおいて、従来の最先端手法を大きく上回る性能を示した。本研究のソースコードおよび事前学習済みモデルは、https://github.com/ifzhang/FairMOT にて公開されている。