
要約
画像のモアレ除去は、テクスチャと色の両方の復元を含む多面的な画像復元タスクである。本稿では、この問題に対処するため、新たなマルチスケールバンドパス畳み込みニューラルネットワーク(MBCNN)を提案する。エンドツーエンドのアプローチとして、MBCNNはこの二つのサブ問題をそれぞれ効果的に解決する。テクスチャの復元に関しては、モアレテクスチャの除去に向けた周波数事前知識を学習するための学習可能なバンドパスフィルタ(LBF)を提案する。色の復元に関しては、まずグローバルなトーンマッピングにより全体的な色ずれを補正し、その後、ピクセル単位で局所的な色の微調整を行う二段階のトーンマッピング戦略を提案する。アブレーションスタディを通じて、MBCNNの各構成要素の有効性を実証した。また、2つの公的データセットにおける実験結果から、本手法が最先端手法を大きく上回ること(PSNRにおいて2dB以上)を示した。