
要約
本論文では、Scene Completeness-Aware Depth Completion(SCADC)を導入し、生のLiDARスキャンを細部まで完全なシーン構造を持つ高密度深度マップに完成させる手法を提案します。最近のLiDAR用疎深度完成手法は、下部のシーンに焦点を当てており、上部のシーンでは不規則な推定結果が得られることが多くあります。これは、KITTIなどの既存データセットが上部領域の真値を提供していないためです。これらの領域は通常空や木々など、シーン理解において重要度が低いとされています。しかし、大型トラックや積載物のある車両などのいくつかの走行シナリオでは、物体がシーンの上部にまで広がることがあります。したがって、構造化された上部シーン推定を持つ深度マップはRGBDアルゴリズムにとって重要です。SCADCは、より完全なシーン構造を持つものの一般的にはLiDARよりも精度が低いステレオ画像を使用して、疎LiDAR深度完成を支援します。当該研究では、我々が初めて疎深度完成におけるシーン完全性に焦点を当てたものであると認識しています。我々はKITTIデータセット上でSCADCの深度推定精度とシーン完全性を検証しました。さらに、少ない研究が行われている屋外RGBDセマンティックセグメンテーションにおいても、シーン完全性に配慮したD入力で実験を行い、当該手法の有効性を確認しています。