
要約
光学フローの従来の学習プロトコルを改良することで、学習プロセスの計算複雑性を増加させることなく、顕著な精度向上を達成することを提案する。この改善は、現在の学習プロトコルにおける困難なデータのサンプリングバイアスに着目し、そのサンプリングプロセスを改善することに基づいている。さらに、学習プロセス中において正則化およびデータ拡張の強度を段階的に低下させることが有効であることも明らかにした。既存のパラメータ数が少ないアーキテクチャを用いることで、MPI Sintelベンチマークにおいてすべての既存手法の中でトップランクを達成し、最も優れた2フレーム法の精度を10%以上上回った。また、KITTIベンチマークでは、同程度のアーキテクチャを用いた他の手法と比較して、それぞれ12%および19.7%以上の精度向上を実現し、2フレーム法の中でKITTI2012における平均終点誤差(Average End-Point Error)が最低を記録した。なお、追加の学習データを用いていない点も特筆すべきである。