
要約
多視点ステレオ(MVS)において、テクスチャが極めて少ない領域における光度的一貫性の信頼性の欠如により、3Dモデルの完全性は依然として大きな課題である。テクスチャが少ない領域は通常、強い平面性を示すため、平面モデルを用いることで深度推定に有利となる。一方、PatchMatch多視点ステレオは、サンプリングおよび伝播スキームの効率性が特徴である。本稿では、平面モデルとPatchMatch多視点ステレオの利点を活かし、平面事前知識を導入したPatchMatch多視点ステレオフレームワークを提案する。具体的には、確率的グラフィカルモデルを用いて平面モデルをPatchMatch多視点ステレオに統合し、新たな多視点集約マッチングコストを提案する。この新規コストは、光度的一貫性と平面適合性の両方を考慮しており、非平面領域および平面領域の両方の深度推定に適している。実験結果から、本手法が極めてテクスチャが少ない領域の深度情報を効率的に復元でき、高い完全性を持つ3Dモデルを獲得し、最先端の性能を達成できることを示した。