
要約
深層畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いた3Dポイントクラウド分類の最近の進展にもかかわらず、回転や並進といった大規模な幾何変換は依然として困難な課題であり、最終的な分類性能に悪影響を及ぼす。この課題に対処するため、本研究では幾何学的変換に対して高いロバスト性を有する点特徴量を包括的な文脈を用いて効果的に学習できる「ジオメトリーシェアリングネットワーク(GS-Net)」を提案する。従来の3DポイントCNNが近接する点に対して畳み込みを適用するのに対し、GS-Netはよりグローバルな点特徴の集約を可能にする。特に、GS-Netはエイゲングラフ(Eigen-Graph)を活用して、幾何学的に類似かつ関連性のある遠方の点をグループ化し、ユークリッド空間および固有値空間の両方で最近傍点からの特徴を統合する「ジオメトリーシミラリティ接続(GSC)モジュール」を構成している。この設計により、対称性、曲率、凸性、接続性といった局所的および包括的な幾何学的特徴を効率的に捉えることが可能となる。理論的にも、固有値空間における各点の最近傍点は回転および並進に対して不変であることを示した。公開データセットModelNet40およびShapeNet Partを用いた広範な実験の結果、GS-Netは主要なデータセットにおいて最先端の性能を達成し、ModelNet40では93.3%の正確率を記録した。さらに、幾何学的変換に対してより高いロバスト性を示した。