3ヶ月前

構文的指標および文脈情報を用いた関係抽出の向上

Qiongxing Tao, Xiangfeng Luo, Hao Wang
構文的指標および文脈情報を用いた関係抽出の向上
要約

関係抽出の最先端手法は、文全体をモデル化することにより文脈情報を考慮するが、構文的指標(例えば前置詞など)は他の語に比べてより情報を豊富に含んでおり、意味関係の特定に有益であることが知られている。一方、固定されたテキストトリガーを利用する手法はこのような情報を捉えることができるが、語彙的多様性を無視するという課題を抱えている。構文的指標と文全体の文脈の両方を活用するため、本研究では指標に敏感な関係抽出手法を提案する。まず、構文知識をもとに構文的指標を抽出し、次に、構文的指標と文全体を統合するニューラルネットワークを構築することで、より優れた関係表現を獲得する。このアプローチにより、文全体から生じるノイズ情報の影響を軽減し、テキストトリガーの制約を克服できる。SemEval-2010 Task 8ベンチマークデータセットにおける実験結果から、本モデルが最先端手法を顕著に上回ることを示した。