xBD：衛星画像からの建物被害評価のためのデータセット

本稿では、人道支援および災害復旧研究における変化検出および建物被害評価の進展を目的として、新規の大規模データセット「xBD」を紹介する。自然災害への対応には、被災地域における被害建物の正確な把握が不可欠である。現行の対応戦略では、災害発生後24～48時間以内に現地での被害評価が求められる。これに対して、航空画像とコンピュータビジョンアルゴリズムを組み合わせることで、被害評価を自動化・迅速化し、人的リスクを低減する大きな可能性が存在する。複数の災害対応機関と連携して開発されたxBDは、さまざまな災害事例に対応する事前・事後衛星画像を提供しており、建物ポリゴン、被害度の順序尺度ラベル、および対応する衛星メタデータを含んでいる。さらに、火災、水、煙といった環境要因に関するバウンディングボックスとラベルも収録されている。xBDは、これまでにない規模の建物被害評価データセットであり、45,362 km²の画像領域にわたり850,736件の建物アノテーションを含んでいる。