
要約
近年、群不変ネットワークの大きな実証的成功に伴い、多様な不変ネットワークアーキテクチャが次々と提案されてきた。特に注目が集まっているのは、平面画像に対して回転および反転不変性を備えた畳み込みニューラルネットワーク(CNN)である。本研究では、回転・並進不変性を持つ2次元ユークリッド群 $E(2)$ に対する不変畳み込みを、Steerable CNNの枠組みで一般的に記述する。Steerable CNNの理論により、特徴空間の変換則を記述する群表現に依存した畳み込みカーネルに対する制約が導かれる。本研究では、任意の群表現に対するこれらの制約が、既約表現における制約に帰着できることを示す。さらに、ユークリッド群 $E(2)$ およびその部分群の任意の表現に対して、カーネル空間の制約に対する一般解を提示する。これまでに提案された多くのアーキテクチャに加え、全く新しい不変ネットワークアーキテクチャを広範に実装し、性能を徹底的に比較した。実験の結果、$E(2)$-Steerable畳み込みは、非不変畳み込みの単純な置き換えとして用いられた場合でも、CIFAR-10、CIFAR-100、STL-10において顕著な性能向上を達成することが明らかになった。