
要約
ハイパーグラフにおけるグラフ表現学習は、多くの現実世界の問題において極めて重要な高次相互作用のパターンを抽出するのに利用できる。しかし、従来のハイパーグラフ向けに設計された手法は、異なる種類のハイパーグラフを扱うことができず、さまざまな学習タスクに対して汎用性に欠けるのが一般的である。実際、サイズが可変で異種(heterogeneous)なハイパーエッジを予測できるモデルはこれまで存在していなかった。本研究では、サイズが可変で同種(homogeneous)および異種のハイパーグラフに適用可能な、新しい自己注意(self-attention)ベースのグラフニューラルネットワーク「Hyper-SAGNN」を提案する。我々は、4つのベンチマークネットワークデータセットおよびゲノム分野の2つの単細胞Hi-Cデータセットを用いて、広範な評価を実施した。その結果、従来のタスクにおいても最先端手法を顕著に上回る性能を達成するとともに、新しく提案された「 outsiders identification(外れ者同定)」というタスクにおいても優れた性能を示した。Hyper-SAGNNは、さまざまな応用において複雑な高次相互作用を解明するためのグラフ表現学習に有効なツールとなるものと期待される。