11日前

超音波画像における乳房腫瘍セグメンテーションのための注目強化型ディープラーニングモデル

Aleksandar Vakanski, Min Xian, Phoebe Freer
超音波画像における乳房腫瘍セグメンテーションのための注目強化型ディープラーニングモデル
要約

乳癌腫瘍の診断において、人間の専門知識を組み込むことは困難である。なぜなら、形状、境界、曲率、強度、あるいは他の一般的な医療的事前知識は患者間で著しく異なるため、一貫した適用が不可能だからである。本研究では、超音波画像における乳癌腫瘍のセグメンテーションに向け、視覚的注目度(visual saliency)を深層学習モデルに統合する新たなアプローチを提案する。視覚的注目度とは、放射線科医の視線を引きやすい領域を含む画像マップを指す。提案手法は、U-Netアーキテクチャに注目ブロック(attention block)を導入し、高注目度領域を優先的に捉える特徴表現を学習する。検証結果から、注目度を考慮した層を含まないモデルと比較して、腫瘍セグメンテーションの精度が向上することが示された。510枚の画像から構成されるデータセットにおいて、本手法はDice係数90.5%を達成した。この注目度モデルは、タスク固有の知識を深層学習アーキテクチャに組み込む手段を提供するため、他の臓器の医療画像処理においても、精度および堅牢性の向上に寄与する可能性を秘めている。