
要約
読解と質問応答の分野で急速な進展が見られ、いくつかのシステムが特定の簡易設定において人間同等の性能を達成しています。しかし、これらのモデルはより現実的な状況に適用される場合、例えば答えが様々なタイプを含む、複数のテキスト文字列が正解である、または離散的な推論能力が必要となるような状況では、性能が大幅に低下します。本論文では、Multi-Type Multi-Span Network(MTMSN)というニューラル読解モデルを紹介します。このモデルは、さまざまな答えのタイプ(例:範囲、数値、否定、算術式)をサポートする多種類回答予測器と、動的に1つまたは複数のテキスト範囲を抽出するマルチスパン抽出手法を組み合わせています。さらに、算術式再ランキングメカニズムを提案し、表現候補のランキングを行い予測結果をさらに確認します。実験結果によると、当モデルはDROP隠蔽テストセットにおいて79.9 F1スコアを達成し、新たな最先端の成果を作り出しました。ソースコード\footnote{\url{https://github.com/huminghao16/MTMSN}}も公開されており、今後の研究を支援するために利用できます。