
要約
最近の知識グラフ(Knowledge Graphs: KGs)の増加に伴い、エンティティ間の関係(リンク)が欠落している不完備な情報や部分的な情報が存在することから、知識ベースの完成(関係予測とも呼ばれる)に関する研究が盛んに行われています。最近のいくつかの研究では、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network: CNN)を基盤とするモデルが豊かで表現力のある特徴埋め込みを生成し、そのため関係予測でも優れた性能を発揮すると示されています。しかし、これらのKG埋め込みはトリプルを独立して扱うため、トリプルを取り巻く近傍に内在する複雑で隠れた情報をカバーできていないという問題があります。本論文では、このような課題に対処するために、任意のエンティティの近傍におけるエンティティと関係の両方の特徴を捉える新しいアテンションベースの特徴埋め込み手法を提案します。さらに、当モデルでは関係クラスタとマルチホップ関係も取り入れています。我々の実証研究は、提案したアテンションベースモデルの効果性について洞察を与え、すべてのデータセットにおいて最先端手法よりも明確な性能向上を示しています。