
要約
欠損値補完は、運動追跡から物理系の動態まで、空間時間モデリングにおける基本的な問題です。深層自己回帰モデルは、誤差伝播に苦しんでおり、長期間のシーケンスを補完する際には致命的な影響を与えます。本論文では、非自己回帰アプローチを取り入れ、新たな深層生成モデルである「Non-AutOregressive Multiresolution Imputation(NAOMI)」を提案します。NAOMIは空間時間データの多重解像度構造を利用し、分割統治戦略に基づいて粗い解像度から細かい解像度へと再帰的にデコードを行います。さらに、当モデルを敵対的訓練によって強化しています。決定論的および確率的動態を持つシステムのベンチマークデータセットで広範に評価した結果、NAOMIは自己回帰モデルと比較して補完精度において大幅な向上(平均予測誤差が60%削減)を示し、長期間のシーケンスに対する汎化能力も向上しています。