
要約
画像間のピクセル単位の対応関係のグローバルなマッチ分布の明示的な表現は、不確実性推定や下流アプリケーションにとって望ましいものです。しかし、各ピクセルのマッチ密度を計算することは、候補数が非常に多いことから、計算コストが高すぎることがあります。本論文では、オプティカルフローとステレオマッチングに適した確率的なピクセル対応関係を学習するための階層的離散分布分解(Hierarchical Discrete Distribution Decomposition: HD³)フレームワークを提案します。全マッチ密度を階層的に複数のスケールに分解し、粗いスケールでのマッチングとワーピングに基づいて各スケールでの局所的なマッチ分布を推定します。これらの局所分布を組み合わせることで、グローバルなマッチ密度を形成することができます。その単純さにもかかわらず、我々の確率的方法は既存のベンチマークにおいてオプティカルフローとステレオマッチング双方で最先端の結果を達成しています。また、推定された不確実性は予測された対応関係の信頼性を良好に示すものであることが確認されました。