
要約
相関フィルタ(CF)を基にした追跡アルゴリズムは、現在、その性能においてトップクラスにランクされています。しかしながら、KCF~\cite{henriques15} や MKCF~\cite{tangm15} のような一部の追跡アルゴリズムのみが、非線形カーネルの強力な識別能力を利用しています。MKCF は KCF に多カーネル学習(MKL)を導入することで、KCF よりもより強力な識別能力を達成していますが、その改善は限られており、計算負荷は KCF と比較して大幅に増加します。本論文では、MKCF とは異なる方法で MKL を KCF に導入します。我々は CF の目的関数の MKL 版をその上限で再定式化し、異なるカーネル間の負の相互干渉を大幅に軽減しました。我々の新しい MKCF 追跡アルゴリズムである MKCFup は、KCF や MKCF を大きく上回る性能を示し、非常に高い fps で動作することができます。公開データセットでの広範な実験により、当手法が高速移動する小さな対象物体に対する最先端のアルゴリズムよりも優れていることが示されました。